事業承継支援

2006年版の中小企業白書においては、少子高齢化・人口減少社会における中小企業の事業承継をテーマとして 報告がなされております。当該白書には以下の記載があります。

経営者の平均年齢は58.5歳(2004年時点)であり、引退希望年齢は65.1歳である(すなわち、2011年頃から一斉に 引退時期を迎える可能性がある)

事業承継を理由として毎年7万社が廃業し、それにより失われる雇用は20~35万人もいる。

事業承継について誰にも相談していない経営者は過半数(53.6%)に上る。

後継者が決まっている場合でも、後継者教育などが主であり、相続対策などに取り組んでいる企業は少ない。 逆に、後継者が決まっていない場合は事業売却(M&A等)も有力な選択肢だが、事業売却が自社で可能だと考えている企業は少ない。

上記より、 「近い将来に一斉に引退時期を迎える経営者が多い一方で、
具体的な対策に着手している経営者が少ない。
その結果、大量の雇用が失われ、日本経済ひいては経営環境にも
悪影響を及ぼす可能性が大きい」
といった状況が浮かび上がります。

 このような状況において、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(中小企業経営承継円滑化法)が 平成20年10月1日より施行されております。  同法には、遺留分に関する民法の特例(生前贈与株式の遺留分対象からの除外(株式の分散防止)と評価額の固定)、  事業承継の金融支援等が盛り込まれており、また、事業承継税制の創設(取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予)や、相続税の課税方式が遺産取得課税方式へ変更されることが予定されております。

後継者問題と解決策の一例

 事業承継上の悩みは様々ですが、ここでは一例を示したいと思います。 まず、「後継者がいない」ことに多くの経営者が悩まれているのではないでしょうか。

 ㈱ニッセイ基礎研究所「就業意識調査」によると、「承継者は決まっておらず、自分は承継するつもりはない」と 考えている方は49.5%、「承継者は決まっていないし、自分が承継してもいいかはまだ考えていない」と考えている方は 14.3%に達しています。 承継しない理由としては、「親の事業に将来性・魅力がないから」が45.8%、「自分には経営していく 能力・資質がないから」が36.0%である一方で、「今の収入を維持できないから」は13.9%と低い値となっています。 すなわち、収入というよりも、そもそも事業の継続や経営していくことに対する不安が大きな理由となっています。

 「創業は易く、守成は難し」ということわざがありますが、承継する頃には創業した事業も成長段階を過ぎていることも多く、 経営者としての後半は、「後継者づくりが最大の仕事」となります。 例えば、「会社を改善する過程で後継者に経験を積ませる」ために、下記の方法を検討されてはどうでしょうか。

●事業承継に向けて企業価値を向上させる。  企業再生と同様の手法で企業価値を高め、金融機関に対する信用力も高める。  後継者にはその過程で一部門の責任者を任せ、実績と社内の信用力をつけさせる(企業再生支援はコチラ)。

●事業承継を機にグループ内企業の再編を行う。  例えば、赤字部門と将来伸ばして生きたい部門を分割することで、 経営資源を集中させる。 また、赤字会社と黒字会社の合併等を行うことにより、税金支出を減らして借入金を圧縮して財務体質を強化する (かなり節税できるケースがあります)(組織再編支援はコチラ)。

●事業承継を機に経営管理手法の見直しを行う。  例えば、中期経営計画を策定し、毎月予算・実績の差異原因を分析して問題点に対処できる組織へ変革する。 その過程で後継者をサポートする次期組織の骨格を作る(経営計画/資金調達支援はコチラ)。 また、内部管理体制の充実化を図ることで、組織を再構築する。

●仮に、自分の子供に跡を継がせる「親族内承継」が無理な場合でもあきらめないで下さい。  現在は「親族内承継」の割合も減少傾向にあり、役員・従業員や社外の第三者への「親族外承継」や、 「M&Aの活用」等、事業承継の手段も多様化しております。 例えば、起業家を志す人と後継者を探している経営者とのコミュニケーションの場を提供する「後継者人材マッチング 促進事業」を活用する方法、M&Aによる売却資金で老後資金を獲得する方法(M&A支援はコチラ)、株式公開により 創業者利益を獲得する方法(株式公開支援はコチラ)等も考えられます。 いずれにしろ、前述のように企業価値を高められるかが重要となります。

その他の承継上の問題と解決策の一例

 では、後継者がいて、事業が好調であれば、事業承継上の問題は発生しないのでしょうか。 残念ながらそうとは限りません。

 例えば、A社長の健康上の問題により、弟であるB専務に経営を任せていたが、A社長が所有する株式(仮にA社長70%、 B専務30%所有とします)の手当てを全くしていなかった場合を想定して下さい。 この状況で相続が発生したが、納税資金対策等をしていなかったため、B専務や幹部社員には株式を買い取る資金がなく、 A社長の相続人である妻C・娘D・娘Eは、相続した株式を第三者へ売却しようとしている。 B専務や幹部社員は、敵対的意図を持った第三者に株式が渡らないか不安になり、業務に専念できず、 会社の業績が悪化してしまった、ということが現実的に起こります。

 当社では、このような不幸を回避するために、例えば下記の対策を検討し、事業承継計画の策定を支援しております。

●後継者への経営権・資産の移転対策例  相続時精算課税制度の活用による自社株式の承継、種類株式・売渡請求等の活用や自社株式買取による 経営権の維持、遺言書 等

●相続税の納税資金対策例  相続時精算課税制度の活用による収益物件の承継、自社株式の有償取得、株式公開、M&A(役員等が買収する MBOを含む)、生命保険や制度融資の活用 等

●個人資産の評価額の引下げ対策例  小規模宅地の評価減の活用、従業員持株会の活用、DES、生命保険の活用 等

●自社株式評価額の引下げ対策例  納税猶予制度(予定)の活用、含み損の実現、役員退職金の活用、組織再編による評価額の引下げ、持株会社の活用、生前贈与 等

事業承継対策は、事案毎に様々なケースが考えられ、また、期間をかけて対策を打つことで効果が高まる場合も多くなります。是非お早めに、まずはお気軽にご相談下さい。

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